メンタル強化
8月16日(木) 18:00 札幌ドーム
ロ 0 0 4 0 1 1 0 0 0 6
日 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2
20回戦(9勝10敗1分)
勝║土肥(1勝0敗0S)
敗║藤岡(0勝1敗0S)
S║
ロ║土肥○ 大谷○ 岩下◎ 松永◎
内◎
日║藤岡✖️ 鍵谷✖️ 公文○ 井口◎
本塁打
ロ║
日║中田20号(1回裏2ラン)
7月26日、岡大海とトレードとなり、ハムへ移籍となった藤岡貴裕と、2年目の土肥の先発。
藤岡と言えば、11年のドラフトでマリーンズ1位確定の瞬間に、嬉し泣きをしていた姿が今でも、印象に残っている。今時珍しい、純朴そうな好青年だった。ただ、その反面で不安も過った。ハートが優しすぎるのではないか?
案の定だった。
開幕して早々は、トントン拍子に勝ち星を重ねていくが、そのうちに思うようにいかなくなっていく。大学時代、定評のあった制球の良さも徐々に影を潜めていった。
そして、藤岡の最大の欠点。ランナーを出すと、メンタルの弱さから自滅していく。結局、6年在籍して21勝しかあげられず、ここ数年はほとんどをファーム暮らしだった。
①藤岡貴裕
②中後悠平
③鈴木大地
④益田直也
11年同期生4人は、とても仲が良かったが、結局マリーンズに残ったのは、大地と益田だけ。
東洋大時代は、主将が大地で副主将が藤岡だったらしい。プロの世界は厳しい。実力が伴わなければ、切り捨てられるのは致し方ないこと。ただ、1人の青年に戻った時、大地も益田も複雑な心境だったのではないだろうか?
他の球団よりは、比較的に切り捨てられるまでの猶予期間が長いマリーンズ。その間に……そうなるまでに、結果を出せなかった藤岡の甘さがいけないのかもしれない。
マリーンズではここ数年、球団の方針として、藤岡を中継ぎで使い続けていた。ところが、藤岡本人はまだ、先発に対する思いが捨てきれずにいた。その葛藤が恐らく、マイナスになっていたのではないかと思う。
数年前…… ほんの一瞬だったが、藤岡が今のチェンのようになロングリリーバーとして、再生しかけたことがあった。
だが、それもメンタルの弱さで長続きせずに炎上し、伊東前監督の逆鱗に触れてしまう。その後、復活することもなくマリーンズを去ることになった藤岡。
ただ、ファームに長く滞在している選手を見ると、いつも私は思う。
コーチは何をしているのか?
西野もかつての輝きを取り戻せずに苦しんでいる。一軍のコーチを総入れ替えするのもいいが、まずはファームのコーチをもっと固めるべきじゃないのか?
私達ファンは結果が出ないと、選手個人ばかりを責めがちだが、指導者に恵まれない選手の気持ちももっと察してあげるべきなんではないかと思う。
今日の試合、先取点を取っても、その点をあっさり使い果たしてしまうのが定番の藤岡が、その欠点を克服できているのかどうかを確かめるべく、5回までを注目してみた。
初回に中田翔の2ランホームランで先制し、2回までは落ち着いたピッチングだった。しかし……早くも3回に、藤岡の悪い癖が出てしまう。
先頭バッターの田村にフォアボールを出した後、5連打され一挙4失点。結局、4回は抑えたものの、5回も連打を食らい鍵谷にマウンドを譲った。
藤岡は変わっていなかった。もう少し、必死ながむしゃらさを期待していただけに残念でならない。マリーンズがリードできるのだから、喜ぶべきなのだが、何故か素直に喜べない自分がいる。
何故クビにしたチームに、噛みついてこない?
昔、ドラゴンズに放出された西本聖は、ジャイアンツ戦には目の色を変えて食ってかかってきた。
闘志を剥き出しにするのが無理なら、せめてベイスターズを戦力外になって、テストを受けてまで、マリーンズで頑張ろうとしたチェンの必死さを見習って欲しい。
そういう、何がなんでもというがむしゃらさみたいなものが藤岡にはなさすぎるのだ。そんなことでは、ハムでもマリーンズ時代の悪循環を繰り返すだけだ。せっかく、あんなにやりたかった先発をやらせてもらっているのだから、もっとやる気を出してもいいじゃないか。
普通の青年なら、優しい好青年かもしれない。だが、勝負師にとっては気弱は、一文の値打ちにもならない。
ところで、マリーンズ先発の土肥だが、初回に被弾したものの4安打ピッチングは良かったと思う。ただ、初回に不用意に一発を打たれるのは頂けない。もしも、打線が沈黙していれば負けていたはず。
それでも、ヒーローインタビューで打線の援護に聞かれても、その事をには触れなかった。そこは、嘘でも……社交辞令でもいいから、有吉や桑田真澄みたいに「野手の皆さんのお陰です」と言って欲しかった。
それがないと、どうしても横柄な自分の力で勝ったと言わんばかりに見えてしまう。どんな時にも、感謝することを忘れてはいけない。結局、野球は点取りゲーム。野手が打たなければ勝てないのだから。