46. ルーキー酒居の可能性
8月25日(金) 18:00 ヤフオクドーム
ロ 0 0 4 1 0 0 0 2 3 10
ソ 0 0 0 1 2 0 0 0 0 3
ソフトバンク19回戦(5勝14敗0分)
勝║酒居(2勝0敗0S)
敗║東浜(13勝4敗0S)
継投
ロ║酒居△ 有吉◎ チェン◎ 松永○
║田中靖洋❌
ソ║東浜 松本 嘉弥真 寺原 森 小澤
本塁打
ロ║ペーニャ6号(3回表2ラン)
║荻野4号(4回表ソロ)
ソ║中村晃3号(4回裏ソロ)
║明石1号(5回裏2ラン)
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ボール・・・ボール・・・ボール・・・
マリーンズ投手陣の最大の欠点がこれ。哀しいまでのノーコン揃い。カウント3ボールになると、ほとんどの投手はフォアボールか、打ち込まれ自滅する。
ところが、ここに救世主が登場する。ルーキー酒居知史。彼は、他のマリーンズ投手とは違う。得点圏でランナーを背負ってボール・・・ボール・・・の展開でも不安にならない。たとえ、ノースリーでも、必ず平行カウントまで持ち込んで打ち取ってくれるからだ。
社会人・大阪ガス出身。24歳。
童顔でおとなしそうな雰囲気が、デビュー間もない頃の唐川侑己に似ている。マウンドに立つと、顔色1つ変えないポーカーフェース。
小宮山悟が、今シーズン言い続けていたこと。「こんなに悪い状態なんて、いつまでも続きませんよ。いつか、帳尻を合わせてくるもんなんです」
普通に考えればそうだろう?私も長いことプロ野球を見続けているが、こんなシーズンは初めてだ。先発ローテ組が揃って、5勝前後でお年寄りのような徘徊を続ける。それでも、いつかは何とかなると思い、見守り続けたが交流戦をヤクルトと仲良く惨敗し、オールスターも終了。
リセットの意味で、後半戦を臨むも結局は同じだった。毎回、同じ投手が同じ負け方を繰り返す。そして、ピッチングコーチが不在なのかと思うほど、その状態から打破できるような策もまるでなし。
昔のプロ野球選手は、不調な時に自分のフォームをチェックをしたものだったが。
最近、ハマって観ている。『巨人の星』『新巨人の星』『新巨人の星Ⅱ』
前作『巨人の星』の大リーグボール3号により、左腕を壊した飛雄馬が右腕で再起を賭け、お話にならないノーコンを克服する為に必死な姿を見せる『新』と『Ⅱ』
無理なんじゃないかと思えることでも、心折れずに絶対に克服してみせるという信念。アニメと実際は違うとしても、このくらいな必死さがほしい。
私は何事においても、同じミスを繰り返すのが嫌いだ。しかし、許せるミスと許せないミスがある。同じミスでも、何とかしようという気持ちが現れていれば許せる。しかし、「ま・・・いっか」と流されると、閻魔大王のように大激怒してしまう。
マリーンズの選手たちの苦しみはわかるつもりだが、恐らく早い段階での彼らの心は、この「ま・・・いっか」だったんじゃないだろうか?
「次、頑張ればいい」「ま・・・いっか」を積み重ねているうちに、その「次」がなくなり、「ま・・・いっか」と言えるような状況ではなくなっていった。
過ぎた時は、戻ってこない。結局、怠けた心が災いとなり、父のように敬愛する監督を退任にまで追い込んでしまったのだ。マリーンズの毎年のキャンプをYouTubeで観るたびに思う。
「これじゃ、勝てない」
笑顔での練習。子供の頃に観た第一期・長嶋監督時代の地獄の伊東キャンプ。それこそ、『巨人の星』の世界だった。笑顔が溢れるような楽な練習なら、やっていないのも同じ。苦しみながらやるからこその練習なんだ。
こんな不甲斐ない面子なら、ファームの子の方がマシなんじゃないかと思うようになり、浦和に足を運ぶ回数が増えた。そこで出会ったのが、酒居と成田翔。見た目はジャニーズ系で頼りなさそうな坊や達。
その二人が、私の望み通りにフレッシュオールスターで完封リレーをしてくれた。一軍の先輩ピッチャーが、ピンポン玉のように被弾しているというのに、何とも頼もしい。
そこで、注目した二人の発言。成田は「ピッチングを楽しい」といい、酒居は「悔しい」と呟く。今まで、マリーンズの投手がこんな発言をしたのを、私は聞いたことがない。若さゆえの発言だろうが、無性に嬉しかった。
大舞台に開き直って楽しみ、思い通りにいかなかったピッチングを悔しがる。こんな当たり前の事が、先輩投手達には出来ていない。
いつか、ボビー・バレンタインが言っていた。「このチームは危険だ。負けることに慣れてしまっている」
『巨人の星』で飛雄馬が、小柄な体型の為に球質が軽い。その為に投手として致命傷だとあったが、よくよく考えてみれば、マリーンズには何人の飛雄馬がいるんだろうか?
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恐らく今シーズン、マリーンズが一番、被ホームランが多いんじゃないか?イヤ、飛雄馬には針の穴をも通すコントロールがあるが、ここの投手陣にはない。どちらかといえば、『侍ジャイアンツ』の番場蛮。しかし、蛮のようなメンタルもない。
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だからこそ、この童顔の坊や達に期待してしまう。私はマリーンズファンが、次期エースと期待する二木よりも、酒居の方が可能性を秘めているような気がする。