50. 硝子のマリーンズ
8月30日(水) 18:15 ZOZOマリン
オ 1 0 1 0 0 0 5 0 0 7
ロ 0 0 1 1 0 0 0 0 0 2
オリックス21回戦(12勝9敗0分)
勝║金子千尋(10勝7敗0S)
敗║南(0勝1敗0S)
継投
オ║金子千尋
ロ║チェン△ 有吉○ 南❌ 宮崎◎
本塁打
オ║T-岡田27号(7回表満塁)
ロ║吉田1号(3回裏ソロ)
中継ぎで活躍するも、やはり先発では結果を出せないチェン。制球難と5回投げるのが精一杯のスタミナ。やはり、先発向きではないんだろうか。
先発が手薄だから仕方がない。クローザーから、先発に転身した西野。過去にローテーションの一角として活躍した大嶺祐太や古谷。チーム方針としては中継ぎだが、本人的には先発に未練の藤岡。
ファームの居心地がいいのか、戻ってくる気配すらない。これだけ一軍が苦しんでいるのであれば、自分が上がって何とか流れを変えようと、奮起するのが普通だ。
しかし、誰一人そんな考えを起こさない。たとえ、上がってきたとしても、戦力どころか、足を引っ張るのが関の山。ある意味、チェンもその無気力な元ローテーション組の犠牲者の一人かもしれない。
昨シーズン、マリーンズ出身の解説者達が、クローザーを益田に任せて西野を先発に転向させた方がいいと言い出した。西野は元々先発で、結果を出せず、抑えにまわったピッチャーだ。
しかも、昨シーズン後半から、精彩を欠いていた。そう思うと、西野先発転向案はとても危険だ。その嫌な予感が的中した。早々に西野は一軍から姿を消した。
クローザーとしての期待をされていた益田は私の予測通り、ポンポンと打ち込まれ続け、その益田から内へとチェンジ。しかし、良かったのは最初だけ。
先発が悪いなら、中継ぎがフォローする。抑えがダメなら、先発が完投するというのなら、何とか戦えるものの、共倒れではどうにもならない。
そして、私が最も気にしていたことは、他のチームのクローザーが、二桁のセーブポイントをあげているのに対して、内は一桁。
成功よりも、失敗の方が多い。
子供の頃、お気に入りの硝子のコップのヒビに気づいた私は、接着剤で補修を試みた。ところが、そのヒビは広がる一方で、遂には粉々になってしまった。
何だか、今のマリーンズ投手陣は、これに似ている気がする。悪いピッチャーのヒビが他のピッチャーに広がっていく。慌てて接着剤を塗ったところで、ヒビが広がり過ぎていたら、修復どころじゃない。壊れるのを待つだけ・・・
先発チェンが打たれ、打線が何とか追い付いた。同点のまま後半に望みをかけようとした7回、3番手の南がひび割れた硝子細工の如く、試合を粉々に粉砕してしまった。
一度壊れた物が、二度と戻らないように、過ぎた時は戻らない。その一瞬、その一球を大事に投げてほしいという私の願いは、虚しく潰えた。
不用意に投げては、打たれる。3月に開幕してから、今日までずっと、同じことが繰り返されている。地に足が着いていない。フワフワと、安定性のない雲の上を歩いてるみたいである。いつ足を踏み外して、転落するやもしれない。
このまま、そこのない雲の上を歩き続けているようでは、この先何年も暗黒の闇から解放されることはない。